税制改正項目

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平成25年度の税制改正でどう変わる? 相続税・贈与税

1.相続税の見直し

(1)基礎控除の見直し

相続税のかからない基礎控除額は、バブル期のままになっていました。
今回の改正で課税範囲の拡大を目的として、基礎控除額が引き下げられることになりました。
具体的には、平成27年1月1日以降の相続 遺贈から適用されます。


  • ポイント
  • この改正で気をつけなければいけないのは 新たに相続税の申告が必要になった方より、従前から相続税がかかる予定だった方で、今後 納税額が増加することが、想定されますので、事前の対策がより重要となります。
(2)相続税の税率構造の見直し

最高税率の引き上げとともに税率構造の見直しが行われます。
具体的には、平成27年1月1日以降の相続 遺贈から6億円超の部分から55%に引きあげられ、税率構造は以下のようになります

相続税の速算表

  • ポイント
  • 配偶者控除の1億6000万円は変更はありませんでしたが、前の基礎控除の引き下げと合わせて、この税率構造の見直しは1次相続の税額のみで分割を検討するのではなく、2次相続を含めて検討する必要性があります。
    ですから、改正の適用は平成27年1月1日以降ですが、それ以前に相続があった場合でも、その後の相続を念頭において分割を決める必要があります。
(3)未成年者控除等の拡充

今回の改正で減税項目の一つです。
未成年者の控除は昭和63年以来の増額になります。また、合わせて障害者控除も適用年数とともに金額が増額されました。

控除額の比較

(4)小規模宅地の軽減特例改正

基礎控除額の引き下げと税率の見直しを緩和するため、小規模宅地の適用面積の拡大とともにその要件の緩和を行っています。
具体的には、平成27年1月1日以降の相続 遺贈から居住要件を満たしていれば、80%減額の適用面積の上限を240m2から330m2に拡大することとされています。
なお、従来特定事業用と特定居住用の両方で適用を受ける場合は最大で400m2に制限されていましたが、今回の改正で選択する宅地の全てが特定事業用及び特定居住用でる場合には完全併用ができることになりました。

面積の違い

  • ポイント
  • 今回の改正では、適用面積が拡大された以外に適用対象が緩和されています。
    具体的には、2世帯住宅のケースと老人ホームの場合の居住要件についてです。細かい改定ですが、実務的はよくあるケースなので、気をつける必要があります。また、この要件緩和については、平成26年1月1日からの適用になります。
(5)国外財産の課税強化

今回の改正では、国内に居住している被相続人または贈与者が国外にある財産を日本国籍を有しない国外居住者に相続、遺贈または贈与しても課税対象としています。

2.贈与税の見直し

(1)暦年贈与の税率構造の見直し

20歳以上の者が直系尊属(父や母 祖父母)から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造について、生前贈与による財産の有効活用の観点から次のように緩和されました。

贈与税の速算表(20歳以上の者への直系尊属からの贈与)

また、あわせて一般の贈与についても下記のとおり変更となっています

贈与税の速算表(一般)

  • ポイント
  • 今回の改正で20歳以上で相続税の課税が避けられない場合は、相続税の最低税率が10%ですから、贈与税の負担10%になるで520万円までであれば効率的に贈与ができると思われます。
(2)相続時精算課税制度の見直し

相続時精算課税制度について次のように改正されました。


(3)教育資金の一括贈与の非課税措置

今回の改正で話題になっているものです。
受贈者の教育資金に充てるため、その直系尊属が金銭を金融機関に信託した場合、受贈者一人1,500万円までに相当する部分については贈与税を課さない。
期間は、平成25年4月1日から平成27年12月31日までに贈与したものになります。
注意点は、事前に贈与契約書の作成とともに「教育資金非課税申告書」を金融機関に提出する必要があります。また、学校以外の者に支払う場合は500万円が限度となっています。そして、受贈者が30歳に達した場合、贈与となります。

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